改正医療法と外来医療機能の明確化

今回の改正医療法はコロナ渦で成立ました。すべての医療関係者を巻き込んだ異常事態の中で成立した改正医療法とはどのようなものなのでしょうか。

改正の柱の一つである外来医療機能の明確化について、医療機関の役割を明確にする意図あります。これにはある背景が影響しています。我が国の医療サービスはプライマリーケアとして風邪などの身近な病気に対処する１次医療、入院手術等に対応する２次医療、重篤患者に対応する３次医療と役割分担がなされています。ところが、この病院ごとの役割を把握してい一般の方々がどのくらいいるでしょうか。多くの専門病院では、専門的な機器や人材を有するにも関わらず外来で日常的な病気の患者に対応しています。

日本は民間中心の提供体制であり、政策がダイレクトに医療現場に介入しにくい構造です。そこで、医療機関から都道府県に現状を報告させる「外来機能報告制度」（仮称）を創設することで、各医療機関が果たしている外来の機能・役割を可視化する考えが示されています。

これによりコロナ患者対応を含む、適切な医療資源の配分が進むことを願います。